日本では同性カップルなど性的マイノリティーの生殖医療に高いハードルがあります。一方、こどもを望む人は誰でも自由に生殖医療を利用できる国もあります。
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同性カップルのみさきさん(仮名)とあいさん(仮名)。子どもを授かりたいと願う2人は現在、海外の第三者の精子を使った体外受精による「妊活」中ですが、厳しい現実に直面しているといいます。
みさきさん(仮名)
「体外受精2回で300万円程度、全て自己負担になってしまうので」
去年から生殖医療への保険適用が拡大されたものの、同性カップルは保険診療の“対象外”。高額な費用が2人に重くのしかかります。
さらに今、2人の希望が絶たれる可能性があるといいます。
自民党や公明党を含む超党派の議員連盟は、生殖医療のルールを盛り込んだ法律の改正案を議論しています。
そこには、産まれてくる子供の福祉の観点から、体外受精などの生殖医療の対象を婚姻関係にある「夫婦」に限定すると明記されているのです。
将来的に対象が拡大される可能性はありますが、2人は改正法が成立した場合、子どもを産む道が閉ざされるのではないかと恐れています。
みさきさん(仮名)
「(生殖医療を)男女のカップルと平等に受けられないことに疑問を感じる。子どもを持ちたい気持ちも手段も一緒なのに線引きされて」
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一方、性的マイノリティーでも自由に生殖医療を受けられる国もあります。私たちが訪れたのは北欧デンマーク。
世界最大の精子バンクでは、ドナー希望の男性から集めた精子を選別し、基準に達したものだけを凍結保存しています。第三者からの精子を使って、生殖医療を受ける人のための施設です。
精子バンク「クリオス」代表
「わたしたちは、文化的、宗教的背景や性的指向を超えて、多くの人が持つ“子どもが欲しい”という願いを安全な方法でかなえています」
デンマークでは40歳以下の在住者であれば、回数制限はありますが、女性の同性カップルでも独身の女性でも生殖医療を無料で受けられます。
体外受精で子どもを授かり、今は3人の子どもたちと暮らすリサさんとリズさんに話を聞きました。
リズさん
「ドナーに、そしてデンマークの社会にとても感謝しています。もし私たちに子どもいなかったら、とても悲しかったと思う」
自由に生殖医療を受けられるデンマークに住む2人にとって、子どもを産むという選択はあくまでも自然なことだったといいます。
子どもたちに、同性の親のもとに産まれてきたことについて聞いてみると…
同性カップルの息子 トアさん
「この家族の中にいることがとても幸せで、とても自然なことだと感じています」
同性カップルの娘 エスターさん
「私も友達と同じように、普通の家庭の普通の子どもなんです」
デンマークでは同性カップルでも、子どもを産み育てることが普通のことになりつつあります。
リズさん
「同性カップルが子どもを産むことに制限を設けたり、法律で規制したりすると、家庭を築く人は少なくなるでしょう」
リズさんは、子どもを産みたいと願う全ての人に寄り添った政策が必要だと訴えています。
(2023年7月20日放送「news every.」より)
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