■同性カップルが直面する「線引き」
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6年前に結婚式を挙げた、同性カップルのみさきさん(仮名)とあいさん(同)。みさきさんは「共通の友人を介して知り合って、今連れ添って17年目です」と言います。
現在、海外の第三者の精子を使い、体外受精による妊活をしています。「体外受精2回で300万円程度かかりました。全て自己負担になってしまうので…」とみさきさん。
夫婦か事実婚の男女であれば保険が適用され、3割の負担で済む生殖医療が、同性カップルの場合は対象外です。
みさきさん
「子どもを持ちたい気持ちも一緒ですし、手段も一緒なのに、そこで線引きされて…」
■負担なしで生殖医療可能なデンマーク
一方、性的マイノリティーであっても自己負担なしで生殖医療を受けられる国もあります。北欧デンマークで取材しました。
同国にある世界最大の精子バンク「クリオス」では、ドナー希望の男性から集めた精子を選別。基準に達したものだけを、巨大なタンクを使って凍結保存しています。このバンクを通じ、これまでに8万5000人以上もの子どもが生まれているといいます。
精子バンク代表
「文化的・宗教的背景や性的指向を超えて、多くの人が持つ『子どもが欲しい』という願いを、安全な方法でかなえています」
■「全ての人に寄り添った政策を」
回数制限はあるものの、デンマークでは40歳以下の在住者であれば、女性の同性カップルも独身の女性も生殖医療を無料で受けられます。
同性カップルのリサさんとリズさんも、生殖医療で3人の子どもを授かりました。リズさんは「家族なしではやっていけません。ドナーやデンマーク社会にとても感謝しています」、リサさんは「私たちは皆と同じく、法的に親になることができるのです」と語ります。
息子のトアさん(14)は「この家族の中にいることがとても幸せで、自然なことだと感じています」と言います。娘のエスターさん(15)は「友達と同じように、私も普通の家庭の普通の子どもなんです」と話します。
デンマークでは同性カップルが生殖医療を受け、子どもを産み育てるのは特別なことではなくなってきているといいます。リズさんは「もし同性カップルが子どもを産むことを制限したり、法律で規制したりすれば、家庭を築く人は少なくなるでしょう」と指摘します。
家族の形はさまざま。2人は、子どもを望む全ての人に寄り添った政策が必要だと訴えます。
■「子どもが欲しい」を支える体制を
佐藤梨那アナウンサー
「住んでいる国が違うだけで、これだけ差が出ているということなのですね」
加藤清史郎さん(俳優・『news zero』金曜パートナー)
「『2人の間に子どもが欲しい』という純粋な思いに対して、同性同士か異性同士かで差があってはいけないのかなと思いました」
「デンマークのような良いお手本もあるので、少子化の中で子どもが欲しい方のお気持ちに、国としてもなんとかして対応していってほしいですし、支援する体制を整えてほしいなと思いました」
(2023年7月21日放送「news zero」より)
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